「時間にルーズな人は成功しない」という誤り
「時間」に関しては、個人差も考え方も人それぞれなので、一概に言えないけど、海外で長く生活し日本帰国後も海外との仕事の方が比重が多かった私としては、日本人の「時間に正確であるべき」という考えはかなり国際感覚とはズレていて、海外との交渉が苦手だったりイマイチ苦戦している事由と潜在的にどこか因果関係があると思う。
もちろん、外国人でも時間に正確な人は居るし、時間に厳しい人も居るだろうが、私が経験してきた大きな仕事で時間に正確であることがプラスに働いたことはほぼ皆無と言っていい。逆に日本人チームが相手側に約束の時間よりも前に、先方に「今、着きました。待ち合わせ場所に間違いないですか?」などの確認の連絡をして激怒されたことはある。
「こっちは移動中なのに、わざわざ携帯で連絡を取らなきゃいけないのか?約束は〇時だとちゃんとConfirmを取っている。決まったことをわざわざ忙しいときに、また確認しなくてはいけないのか?」と。
そりゃそうだ。逆の立場になって考えてみてほしい。
暇人ならともかく、常に緊急事態も想定して仕事をしている人達や、付き人やセキュリティーを付けて行動している富裕層、VIPなどに約束の10分も前に連絡して「遅れててすみません。もう近くに居るので待っててください」なんていう答えを期待しているのだろうか?
相手からしてみたら「こっちは、もう着いてるんだ!早く来い!」と急かされている気分になるだろう。
だが日本国内、色々なところを回っていると、その地方によっても違うようで、私がイライラしてしまうのは関西や名古屋の人はせっかちな人が多く、ちょっと時間が遅れただけで「先に行く」などと言って、土地勘もない人間を置いていくことに驚いたのは一度や二度ではない。
逆に、時間の感覚として海外に慣れている私でも「本当にここは日本か?」と驚いたのは沖縄で、ここはほぼヨーロッパ時間と思った方がいい。
14時の会議はだいたい14:30に始まり、約束の時間はだいたい「約束の時間に向かっている時間」くらいの感覚がある。
私はこっちの方が非常に楽で、外国の撮影クルーを連れて行っても外国人も特にこのことに文句を言う人は居ない。
あと、日本と外国時間の間くらいなのが京都だろうが。
京都のマナーなのか、海外では「Fashinably late」(もしくは「elegantly late」と言っているアメリカ人も居た)と言うのだけど、パーティーなどは時間通りに行くとホストに気を使わせていくので、約束の時間より遅めに行くのがマナーという感覚だ。
私も、この感覚が染みついてしまっているので、フランス人なんかで予定より30分遅れで来る人だと「ああ、早めに来る人なんだなぁ」と思ったりする。
まず約束時間より前に相手に「今、着きました」の報告をするのは失礼だと思うのだが、多くの日本人は律儀にこの報告をしてくる。
私は「今、着きました」の連絡をするなら、最低限「どうぞ、ごゆっくりいらしてください」の一言を付けるのが、マナーだと思う。
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